屋久島の持続可能性について

 2023年のEARTH YOGA協会で主催させていただく『屋久島リトリート』
今回は、屋久島について記させていただきます。私も第二の故郷のような大好きな島です。

屋久島は島の90%が森林で、1,000年を越える樹齢を持つ「屋久杉」や、もののけ姫の舞台になったと言われる「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」など、豊かで美しい自然景観が魅力の島です。

島に生えるスギの中でも、標高が500mを超える山地に自生し、樹齢が1,000年を超えるものが屋久杉と呼ばれていると昨年訪れた現地で教えていただきました。

島のほぼ中央にそびえ立つのが、九州の最高峰となる宮之浦岳(標高1,936m)です。
屋久島では、珊瑚礁が見られて冬には雪も降る、亜熱帯から亜寒帯までの気候帯が存在する稀有な島です。
そのため、亜熱帯植物から亜寒帯植物が海岸線から山頂へと連続的に垂直分布し、多種多様な植生を見られます。
1,500種以上の動植物が生息しているとされ、「洋上のアルプス」や「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。

また、屋久島自体は火山島ではないが、8つの天然温泉があり、実は隠れた温泉の名所です。
それぞれに泉質が異なるだけでなく、温泉施設の趣が全く異なっていることも、温泉好きにはたまりません。
中でも、干潮時の2時間だけしか入湯できない「平内海中温泉」は、脱衣所もなく、贅沢な貴重な体験ができます。

さらに、海からの湿った風が山々にぶつかるため、「屋久島は月のうち、三十五日は雨」と言われるほど雨が多く、豊富な流水や湧き水に恵まれている。「大川の滝(おおこのたき)」は日本の滝100選に、宮之浦岳流水は名水百選に選ばれています。現地で登山やトレッキングを楽しむ際は、湧き水を汲むことができます。これまたとても美味しいんです。

2019年の記録的な豪雨においても、午前中はほとんど雨が降っていなかったにも関らず、午後から急激に雨脚が強まり、午後6時には「50年に1度の大雨」と発表されている。特に天候の変化が激しい山岳部の観光では、ちょっとした天候の変化でも河川の増水や土砂崩れにつながることもあります。


屋久島では、強い雨がふると一気に河川が増水することが、パンフレットなどに記されており、より一層の安全対策が求められます。白谷雲水峡の穏やかな清流も、ひとたび雨が降ればすぐに増水し、沢を渡れなくなってしまいます。

近年は都市部でも、いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる大雨による、記録的短時間大雨情報の発表もあり、これまでの経験則とは異なる気象変化の時代を迎えつつあるように思えます。

海から山へ一直線につながる屋久島の地形は、豊かな自然を育むと同時に、急激な天候の変化も生み出します。

昨年の旅行を通じて、屋久島ならでは課題も多いと聞きました。

代表的なものが、ヤクシカなどによる獣害で、生態系や農業、生活環境への被害です。



屋久島では環境保全の対策の一つとして、「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金」という入山協力金制度を設けています。これは、世界自然遺産として評価された屋久島の美しい自然環境と清らかな水環境を人類共通の財産として末永く受け継ぎ、登山者に安心で安全な自然体験を提供するための協力金です。


2023年8月現在、日帰り入山の場合は基本額の1,000円、山中で宿泊予定の入山の場合は2,000円となっています。
なお、白谷雲水峡(管理棟~辻峠区間)だけに入園する場合は、「森林環境整備推進協力金」の500円となります。
口座振込などで協力金だけを納入することも可能なので、興味のある方は、屋久島町役場観光まちづくり課に問い合わせてみてはいかがでしょう。

最高にエキサイティングな体験ができた屋久島の思い出に浸りながら、再び多くの方が屋久島の旅で、大自然の恵みを満喫できることを願っています。

世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金のHPはこちらです。
もし行かれる際は、ぜひご協力をお願いいたします。